NODA MAP「パンドラの鐘」

【作演出】野田秀樹
【出演】堤真一(ミズヲ)、天海祐希(ヒメ女)、富田靖子(タマキ)、古田新太(カナクギ教授/狂王)、松尾スズキハンニバル/男)、銀粉蝶(ピンカートン夫人/古代の未来の王)、入江雅人(オズ)、八嶋智人(イマイチ/古代の未来の参謀)、野田秀樹(ヒイバア)、明楽哲典子(コフィン)、春海四方(リース)、戸谷昌弘(ハンマー)、張春祥(スペード)、堀朋恵(サクラ)、豊川栄順(ドーベルマン)、音室亜冊弓(モモ)


開戦前夜の長崎。発掘作業を行うオズは掘り起こした”パンドラの鐘”から新学説を発見し、その封印された古代王国の物語を婚約者タマキに語りはじめる・・・。古代。葬式を生業とするミズヲは女王ヒメ女との掛けに勝ち、今後一切の葬式を仕切ること、葬式の度に“パンドラの鐘”を鳴らすことに。しかし、戦況が思わしくないため鐘の音が日に日に増えるばかり。ヒメ女の側近たちは、戦況を民に知らせぬよう裏から手を回しはじめ、ついにはヒメ女を陥れ、新王を擁立。新たな戦争が勃発する中、ヒメ女は自らが“パンドラの鐘”に閉じ込められることで未来の国が投下しようとする“もうひとつの太陽”から民を守ろうとするが・・・。
アメリカ資本ピンカートン財閥の助成により長崎発掘事業を行う皮肉。死人が出ることで儲かる葬儀屋と、戦勝(=死人減る)で栄える女王、相反する立場にあるふたりの出会い。封印される兄王。戦況を隠ぺいしようとする側近。古代へ襲い掛かる姿見えぬ“未来”からの使者。民のためにひとり立ち向かう女王ヒメ女。攻め込まれる中、未来の国が最後通牒を出す。“この頭の上でもうひとつの太陽が爆発しようとする”その時女王は何をするべきか。
開戦前夜、長崎から掘り起こした“パンドラの鐘”を自国アメリカへ持ち帰るピンカートン婦人とタマキ。 “大丈夫、日本には王がいるじゃない。古代のヒメ女のように王ならばその地が滅びる前にわが身を呈してニッポンを守ってくれるわ”・・・こえぇ。極左?ともとれるコワイセリフがたくさんあり。問題はどのように死ぬのか、、、そうねぇ我が国の国民の象徴は病気でお亡くなりになりましたけどね。
それにしても松尾さん×野田さん、松尾さん×古田さんのオシバイはすごいっ!生で見れて良かった。天海さんの凛とした女王っぷりも見事。ちょとセリフ早い所もあるが・・・野田演出なので仕方ない?やも。衣装今回は日々野克彦さん。素敵!
場面展開も今回かなりキテます。古田さん演じる教授から古代狂王への展開は見事!錯綜する古代と開戦前夜の日本とのストーリーの絡み、個々の人物の掘り下げもきっちりされていて、近年観た芝居の中では私の一番!
そういや、この公演中にあった「グループ魂」ライウ゛に野田さんと松尾さんがゲスト出演。公演後に駆け付けて”プッチモに”歌ってたなぁ。