NYLON100℃「ナイス・エイジ」@世田谷パブリックシアター

NYLON100℃ 29th SESSION「ナイス・エイジ」
前売/S席:6,200円 A席:4,200円(全席指定)
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 :峯村リエ 大倉孝二 みのすけ 松永玲子 長田奈麻 新谷真弓 安澤千草 廣川三憲 藤田秀世 喜安浩平 大山鎬則 吉増裕士 杉山薫 植木夏十 皆戸麻衣 柚木幹斗 佐藤誓 / 志賀廣太郎( 青年団 ) 原金太郎 坂田聡 池谷のぶえ 加藤啓( 拙者ムニエル松野有里巳立石凉子演劇集団円
12月9日〜12月24日世田谷パブリックシアター

昔は裕福だったが今は没落している廻一家がある日、ボロアパートに引っ越してくる。その日は長女・想子が亡くなった命日。墓参りだけはしようと、アル中の母親・澄江は家族を促すが、ぐうたらな父親・時雄も、長男・時次も次女・春江も無反応。そんな絵に描いたような崩壊家族を、なぜか大家夫婦は怪談話で追い出そうとしている。なぜなら、その家のお風呂は湯加減で行き先が決まるタイムマシン。大家夫妻は、違法な時間旅行を取り締まるタイムパトローラーだったのだ。そんな中、まず時雄が失踪する。タイムスリップした先で出合ったのは17歳の自分。当時、おぼっちゃまだった時雄は、芸人の神田に夢中で金銭的な援助をしていた。 廻家の没落はそこに原因があったのだ。 やがて、廻家の人々が様々な時代へ飛んで行き……。
e+特集ページ KERA&大倉対談 ←なんか珍しい組み合わせ

いやぁぎりぎりセーフで行って良かった。長いっ(休憩込み3時間半)!だけど面白いっ!2000年の初演はシアテレを録画したものの未見のまま行っちゃいました。
一見バラバラで家庭崩壊寸前に見える廻家。でも物語が進むにつれそれぞれの想いやりが笑いの中に交えて見え隠れ。タイムパトローラ夫妻、想子と万城目兄弟、カンダタと時雄、廻家の凋落の理由や、蓑輪さんと蓑輪家のこと・・・等々の細かいエピソードも、モヤモヤを残さない。すげえ脚本だ。竿島教授なんて、忘れかけた頃に突然戻ってくるしw そしてラストのあの結末。
個人的に悲しい知らせを聞いた直後に見にいったこともあって、特に後半、春江と想子のシーンの演出(ぐるぐる歩くやつ)でウルウルと、そして最後の春江の絶叫ではもう涙がとまらず・・・。
みのすけさんの中学生姿、松永さんの高校生姿がやけにハマりすぎで一体この人たちは何者かと。カンダタ役の坂田さん、イイ意味で落ちぶれた芸人の哀愁が。2000年の初演では三宅さんが演じたそうなので、恐らく全然違うカンダタになっていたのかな?拙ムニの加藤さん、切ない恋心にぐっときました。池谷さんと原金太郎さんにはもう脱帽、面白すぎ。志賀さん&廣川さんどちらもいい声〜。
ウチハソバヤ〜95年版以降のナイロンおよびケラさんにはやや否定的だったワタクシですが、この作品は本当に良かったよ!ナイロン&ケラ嫌いの人にも勧められる作品だったと思う。(ほぼ私信です>Aちゃん/Nつん)